手術について

手術内容

高位脛骨骨切り術(High Tibial Osteotomy:HTO)

手術方法

HTOはO脚により内側に偏った過剰な負担を、きれいな軟骨の存在する外側に移動させる手術です。
手術方法としては、脛骨(すねの骨)を内側から切り、切った部分を広げることにより足をX脚に矯正します。矯正した脛骨を固定するために、 チタン製のプレートとスクリューを使用します。また、脛骨を切ってできた隙間には、 自分の骨や人工骨を移植することで矯正した脛骨を安定化させます。

図1 O脚と修正後の立位像

図2 骨切り後の拡大写真(左膝)

入院期間

術後2日目から徐々に歩行練習を開始します。入院期間は3週間程度となっています。 退院時には歩くときに片方の松葉杖や杖を使用します。

リハビリテーション

手術後のリハビリは、長い年月をかけて習慣化された歩き方や生活スタイルを改善するために、足の柔軟性、筋力、 立ち方の練習をしていきます。手術後のリハビリをスムーズに行えるようにするためには、手術前からのリハビリも大切です。 また、これらのリハビリを継続することで将来的に人工関節にならないように予防していきます。

人工膝関節全置換術(Total Knee Arthroplasty:TKA)

手術方法

TKAは擦り減ってしまった関節軟骨を切除し、人工関節を被せる手術です。痛みはかなり軽減され、立つ、座る、歩くといった基本動作から日常生活まで痛みなく生活していただけます。しかし骨切り術とは異なり、関節面が全て人工物になるため20~30年程度で人工物の緩みや摩耗が起こってきます。その場合は入れ換えの手術が再度必要になってきます。
また高齢で変形の少ない場合はより低侵襲の、小さい人工関節(Unicompartmental Knee Arthroplasty :UKA)も行っています。

図1 正面(TKA)

図2 側面(TKA)

大腿骨側(太もも)、脛骨側(すね)、膝蓋骨(お皿)の関節面が人工関節となり、関節裂隙(膝の隙間)に人工軟骨(ポリエチレン)を挿入します。

図3 正面(UKA)

入院期間

院期間は3週間程度となっており、杖歩行にて退院されます。

リハビリテーション

術後早期よりリハビリ介入を行います。術後2日目より歩行器にて少しずつ歩行練習を開始し、術後1週間~2週間程度で杖歩行を獲得していきます。
また膝関節の十分な関節可動域(曲げ伸ばし)の獲得を目指し、日常生活をより快適に過ごせるようリハビリを行っていきます(個人差はありますが正座ができるようになる方もいらっしゃいます)。

経皮内視鏡下椎間板摘出術(Percutaneous Endoscopic Disectomy:PED)

内視鏡視下で突出している椎間板を切除し、圧迫されている神経を除圧する手術です。6mm程度の皮膚切開で手術が可能ですので局所麻酔で実施でき、状態によっては日帰りも可能となっています。
仕事復帰は、事務作業は翌日からでも可能ですが、仕事の内容によって違いますので、担当医と相談していただく事になります。

腰椎徐圧術

腰部脊柱管狭窄症によって神経を圧迫している原因(背骨の一部や靭帯)を切除し、徐圧する手術です。

腰椎固定術(PLIF、TLIF)

腰椎すべり症などの不安定性がある場合と、手術操作に伴って不安定性が生じる例には椎弓根スクリューなどを用いて腰椎を安定化させる固定術を行います。

図1 正面(TLIF)

図2 側面(TLIF)

リハビリテーションと入院期間

腰椎徐圧術、腰椎固定術共に術後は翌日から歩行器歩行が可能です。リハビリテーションでは再発予防のための日常生活動作指導や、筋力訓練、下肢柔軟性の改善等を中心に行なっていきます。入院期間は2週間前後です。

終わりに

手術適応に関しては、関節軟骨の状態によるため担当医までご相談ください。
また、手術後はリハビリが重要であるため、当院では手術前からのリハビリも積極的に実施しています。